乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)
症例
乳腺腫瘍のステージ分類と予後

 

◆ 症 例 1 ◆

11 歳6 ヶ月、ビーグル
乳腺から汁が出てきて、腫れているということで来院しました。
不妊手術は実施していませんでした。触診および、年齢と不妊手術をしていないことから、乳腺腫瘍であると診断し、外科的に切除することになりました。

破線で示した部分は明らかに腫大しており、コリコリとした感触がありました。

 

かなり広範囲にまで拡散していることが予想されましたので、リンパ節の切除も実施しました。

 

切除した乳腺腫瘍を病理検査センターへ送って、調べてもらったところ、乳腺癌であることが わかりました。また、一緒に切除したリンパ節への転移も確認されたことから、今後の定期的 な経過観察が必要となりました。

 

◆ 症 例 2 ◆

16 歳、ビーグル
左鼠径部付近の乳腺が大きく腫れてきました。赤みと熱を持ち、少し触っただけで強い痛みを訴えました。

今回の症例のように、「強い痛み」「赤み」「熱感」がある乳腺の腫れは“炎症性乳癌”の可能性 が高く、外科的切除は不可能です。
したがって、炎症性乳癌は非常に悪性度が高く経過は極めて不良であり、ある文献では70% は2-3 か月で死亡するとの報告もあります。
したがって、炎症性乳癌の場合は、痛みの軽減、QOL の改善が治療の目的となります。

 

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