病気やケガ>不妊・去勢手術(ふにん・きょせいしゅじゅつ)
不妊(雌)では卵巣(および子宮)を摘出する手術、去勢手術(雄)では精巣を摘出する手術と なります。卵巣または精巣を摘出するので、永久的に妊娠する(させる)ことができなくなります。 また、これらの手術は全身麻酔で行いますので、絶対に安全な手術というわけにはいきません。
では、どうしてこれらデメリットにもかかわらず、不妊・去勢手術をを行った方がいいのか?
それはデメリット以上に疾病の予防、問題行動の抑制、寿命の延長などのメリットを得られるからです。
◆ メリット(目的) ◆
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◆ デメリット(問題点) ◆
※これらの多くは細心の注意で予防できます |
当院では以下の理由から、犬および猫で6ヶ月齢前後での実施が適切であると考えています。
初回発情前の卵巣摘出、初回発情後の卵巣摘出、2回以上発情した後の卵巣摘出では、乳腺腫瘍の発症率はそれぞれ、0.5%、8%、26% とされており、早期に卵巣を摘出するとその発症率が低くなることが明らかにされています。
(ちなみに、犬の乳腺腫瘍は全腫瘍の約30% を占め、その内の半分は悪性腫瘍)
また、猫においても、6 ヶ月前に不妊手術を行った猫では91%、1 歳までに行った猫では86%、非避妊メスに比べて乳腺癌の発症リスクの減少が明らかとなりました。
(ちなみに猫の乳腺腫瘍は全腫瘍の17% ですが、その80 ~ 90% が悪性腫瘍)
スプレー行動やマウンティングなどは性ホルモンによるものではありますが、これらの行動は「学習」によるものも関係してきます。そのため、これらの行動の「学習」期間が長いと、不妊・去勢による性ホルモンの分泌がなくなっても行動を抑制することが困難になってしまいます。
肝臓の代謝能力、腎臓の排泄機能などが未熟なため、若齢期では麻酔のリスクが高まります。また、生後3 ヶ 月以前の不妊手術では、尿失禁を起こすリスクが高まるという報告もあります。