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腸重積(ちょうじゅうせき)
症例1
症例2

腸重積(ちょうじゅうせき)とは?

腸重積とは、腸管の一部が隣接する腸管の中に入り込んでしまう病気です。腸管のどの部位にでも起こりうるものですが、回腸が結腸の中に入り込んでしまう場合が最も多いようです。(細い回腸が太い結腸の中にはいり込んでしまう)

また腸重積の疫学的特徴としては以下のようなことが分かっています。

  • 子猫・子犬の方が大人の動物より発生率が高い
  • ほとんどの腸重積は特発性(原因がはっきりしないで突然起こる)
  • そのほかの要因としては・・・
    1. 腸管内寄生虫
    2. 非特異的胃腸炎
    3. 糸状異物
    4. ウイルス性腸炎
    5. 腸管内の腫瘍
    6. 急性腎不全
    7. レプトスピラ感染症
    8. 手術後        etc・・・

飼い主さんが気付く異変(臨床症状)
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 血便 etc・・・

これらの症状は、腸重積に特異的なものではなくその他の疾患でもしばしばみられる症状なので、臨床症状だけでは、腸重積と診断がつきません。

診断と治療法

診断は、触診での腹部の腫瘤(重積)、血液検査(低アルブミン血症やCRP の上昇)、消化管造影検査、腹部エコー検査などを併用して診断します。

治療法は外科的に重積した腸管を整復しなければなりません。急性例では整復のみでも大丈夫な 場合もありますが(切除を選択するときもある)、慢性例では病変部が壊死を起こしていることが ほとんどなので、腸管が破れてしまう危険性を考慮すると切除しなければなりません。

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