病気やケガ>股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)
股関節の形態的(解剖学的)な異常を伴う遺伝性疾患です。主な症状は後ろ足のふらつきや関節炎に起因する運動障害がみられる場合もあれば、ほとんど症状がない場合もあります。
股関節形成不全が原因でおこる関節炎が進行すると、変形性関節症を発症します。変形性関節疾患は進行性の病気であり、 何もしないとどんどん悪化し、完治は難しくなります。
大型犬~超大型犬に多発
ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパード、バーニーズ・マウンテンドッグ、秋田犬
※小型犬種でも起こりますが、症状を示すことはあまりありません。
生後4ヵ月から1年未満の成長期には骨格が急成長します。 このため、股関節形成不全の犬は骨と筋肉のバランスがとれず、 関節の緩みが生じ、やがては股関節亜脱臼による関節炎が起こり、痛みを感じるようになります。
股関節形成不全の犬の約9割が両方の股関節に異常がある!
股関節形成不全になるかどうか、症状が出るかどうかは遺伝因子が7割、環境因子が3割!
環境因子としては急速な体重増加、食餌、後肢の筋肉量などです。肥満には気をつけましょう。
2007年度より動物保護法に基づく飼い主の「同意書」の記入が義務付けられました。お手数ですが、同意書に飼い主様の署名と緊急連絡先をご記入いただくこともありますがご了承ください。※当院で扱えない動物はお断りする場合があります。
上記臨床症状に加えて、歩様検査、関節可動域などの整形外科的検査に加え、×線検査によって総合的に診断します。また、治療法に関しては以下の内容を考慮し、その状況にあった治療法(内科的および外科的治療法)を飼い主さんとともに考えていきます。
症状が軽度であれば、進行防止を目的に内科的治療を実施します。場合は外科的治療も視野にいれて検討します。