股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)
症例1
症例2
症例3
三点骨盤骨切り術(TPO)

 

◆ 三点骨盤骨切り術 ◆

 

三点骨盤骨切り術(TPO)とは、股関節形成不全に対する外科的治療法の一つで、図1のように、3本の赤線で骨盤を切断し、切断片を回転させる手術法です。

この手術により、大腿骨が背側に亜脱臼しようとするのをカバーしてくれるため、運動量の多い犬への症状の緩和や骨関節炎の進行をおくらせることが期待できます。

この術式は若齢の犬で、内科的治療でコントロールできない股関節形成不全症で一般的に用いられます。
TPOの効果を最大限に発揮するためには若齢という早期に実施するかどうかが重要ですが、他にも以下にある条件が見られる場合、予後は良好です。

  • 亜脱臼はみられるが、変形性関節症が軽度
  • 回転する角度が30度未満(亜脱臼角が10度以下)
  • 寛骨臼のくぼみがしっかりしている

図1


図2

 

回転させた骨盤をその角度で固定するために、図2の緑の破線部分に 「犬用骨盤骨切りプレート (Slocum 社製)」を用いる。
青矢印の方向に回転させることで、寛骨臼が背中側にまでカバー してくれるので、亜脱臼が起こらなくなる。


犬用骨盤骨切りプレート(Slocum 社製)

 

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